15年ぶりにかつてのスタッフに再会しました。
「本部長、お久しぶりです」
彼女は、私の会社がまだ婦人服小売業を営んでいた頃に働いてくれていたスタッフです。
私が社長になる前に退職したため、昔の肩書で呼ぶのも当然でしょう。
しかし、久しぶりに異なる肩書で呼ばれると新鮮な気持ちになりました。
そして15年前のことをふと思い出しました。
社長になることが決まっていなかった35歳頃、
日常的には大きな問題はなかったものの事業の将来展望に悩んでいました。
このまま婦人服小売業を展開し続けるべきか、
別の小売業に進出すべきか、
あるいは小売業以外の事業にシフトすべきか。
最終的に、私は現在のコンサルティングとアウトソーシング事業へと舵を切りました。
人間の思考は現在の延長線上に未来があると考えがちです。
当時の主力事業であった婦人服小売業を拡大することが最善策のように思えていました。
すでに3店舗を運営しており、多店舗展開にも自信がありました。
しかし、年々厳しくなる市場環境や社会のニーズを考えると、
この事業の将来性が低いことは明らかでした。
同業で同規模の婦人服小売業が次々と閉店する中、不安を感じないわけがありません。
それでも、既存事業を維持しながら新規事業を展開するのは困難であり、
そもそも具体的なアイデアも持ち合わせていませんでした。
そんな閉塞感の中で後継者時代を過ごしていました。
おそらく、多くの後継者も同じような状況に置かれることでしょう。
では、そこからどうしたのか。
結局のところ、私は毎日、小さな改善と変化を積み重ねることに集中しました。
既存事業を少しでも良くする方法はないか。
少しでも利益やキャッシュを増やせないか。
こうしたことを日々考え続けました。
続きは次回の配信でお伝えします。





























