前回の続きです。
Aさんは、非常に驚いたものの、
追加融資がなければ、倒産です。
先代は「お前がやれ」とだけ言われたそうです。
そこからAさんの地獄が始まりました。
売上以上の借入金があり、
実質債務超過という財務状況でした。
毎月の返済と、新規顧客の拡大、
従業員との関係性など問題は山積みでした。
当時のAさんは「債務超過」の意味すら
知らないほど、財務には疎かったのです。
これは、先代が資金や財務を担当し、
内情を一切見せなかったためです。
Aさんは、
「後継者時代に、
もっと資金繰りや財務について学び、
責任感をもって、先代に数字を見せて
もらったら、ここまで厳しい状況には
ならなかった」
と、言われていました。
後継者時代には、自社の財務諸表は
あまり見ないことがお多いです。
そもそも、
財務に詳しくなければならない、とか
財務諸表を見ることが社長力につながる、とか
今の財務内容は自分が将来引き継ぐもの、とか
正しい情報を教えてもらうことがありません。
とても重要なことであるのに、
後継者時代に教えてもらえないのは
中小企業の事業承継を難しくさせる
要因のひとつです。
後継者こそ、
数字に強くなる!
これが重要です。
Aさんは、その後、別事業を立ち上げ
収益を改善させています。
この事業も、数字に強くなったことで、
確実に成果が読める事業を構築したのです。
では、また来週