今日は後継者にとって見落としがちな「株式の信託契約」について重要なポイントをお伝えします。
事業承継において、創業者が保有株式を後継者に譲渡しつつ、
「議決権だけは信託契約で先代が持っておく」ということができます。
しかし、この信託契約は会社の実権構造を大きく左右する極めて重大な契約であり、
内容を十分に理解しないまま引き継ぐと、後継者の経営に予想外の制約が生じる場合があります。
■ 事業承継における「議決権を信託で先代が過半数持つ」メリットとデメリット
【メリット】
◇ 1. 経営の急激な変化を防ぎ、先代が“安全弁”になる
後継者が経験不足でも、先代が重要決議でブレーキ役となり、経営の安定を保てる。
◇ 2. 親族・株主の対立防止
議決権が先代に集中するため、経営権争いを抑えやすい。
◇ 3. 後継者育成の期間確保
実務は後継者が担いながら、最終決定は先代が行うため、段階的な承継ができる。
【デメリット】
◇ 1. 後継者が“社長なのに決定権がない”状態になる
取締役選任、投資、資本政策など、重要判断を先代に依存し、主体性が失われる。
◇ 2. 先代の判断能力低下で会社の意思決定が止まる
認知症などになっても信託契約は残るため、株主総会が開けない、融資手続きが進まないなど、経営が麻痺するリスクが大きい。
◇ 3. 解除がスムーズにできない
先代の気持ちの変化や家族間の事情で、合意が得られず解除が遅れるケースが多い。
◇ 4. 金融機関が後継者を“正式経営者”と見ない
議決権=実権と判断され、保証人変更や融資が進みにくくなる。
◇ 5. 相続時に受益権が財産として扱われ、処理が複雑化
議決権だけの信託でも相続財産として評価が必要になる場合がある。
メリットがデメリットを上回る時期はいいのですが、
いづれ後継社長は自分で経営できるようになり、デメリットが上回るときがきます。
そんなとき、どうなるでしょうか。
続きは次回の配信でお伝えします。





























