前回の続きです。
そもそも、中小企業に株があって、
売買できることを知らない人もいます。
また、中小企業の株価は計算すると意外に低いので、
ある人物にとっては、「買いたたかれてる」と
思い込む人もいます。
例えば、自社ビルや工場などを
外部から見ている人は、
「あんなに大きな建物があるので、
さぞお金を持っているのだろう」
と思うわけです。
私も現場での交渉では、
このように言う方が多いです。
しかし、会社経営は大変で、
お金が社内に十分にある訳ではなく、
ギリギリの経営がほとんどです。
どんなに立派な自社ビルがあっても
計算すると、一株数万円から数十万です。
ちなみにA社は一株19万円でした。
元専務には760万、甥と姪には380万です。
A社は価値の下がった土地や不良在庫などがあり、
思ったより低い価格になりました。
それを、甥や姪に説明しても
なかなか理解してもらえない。
最後には、決算書を見せて、
甥の友人と称する税理士までついてきて
確認しても、それほど価格は変わらず、
しぶしぶ納得してもらうことになりました。
この間、10ヶ月かかりました。
一方元専務B氏は価格提示後に
すぐ売却していただけました。
甥や姪との交渉中のA社長は
精神的にもつらく、本業に集中できず、
業績も低迷しました。
(売却後、回復へ)
このように、
あとになって、自社株対策すると
時間もかかるし、費用も高くつきます。
時間が大きなコストになるので、
それを短くすることも
事業承継を進めるうえで
大切な要因です。
理想は
社長交代前に
自社株を集めておくことです。
さて、皆さんも
まずは自社株の現状から
確認し、分散しているなら
いますぐ集めましょう。
自社株式は分散ではなく、集中で!
では、今週も頑張っていきましょう