前回の続きです。
A氏曰く
「現場で同じ時間を共有するから、
相手の真のニーズが分かる」
とのことです。
A氏の言っていることは
まさに中小企業の経営の王道です。
戦略的な
「マーケットイン」思考で
顧客が欲しいものを提案します。
大手企業にはないきめ細かい対応と
フットワーク軽さが当社の強みであり
顧客満足を高めています。
事業承継で企業として重要なことは
この「強み」をどのようにして
次の世代に繋げていくかということです。
あたり間ですが、
A氏のようなニーズをつかみ
提案できることは他社に比べて優れているところです。
つまり、普通の人ではできないということです。
しかし、
A氏の次の経営者にはこれができなければなりません。
ということは
強みが発揮できるように
後継者を育成することがA氏に最も重要なことです。
ある意味売上をあげるより
時間をかけなければなりません。
つまり、
A氏が現場に出る時間を減らし、
後継者を育てる時間を増やすことです。
ある程度、基本を教えた後に
A氏と後継者が同行してA氏の仕事のやり方を学びます。
後継者が鞄持ちをする感じです。
このように
経営者の会社の強みが依存している場合は
そのノウハウをどのように移すかが重要です。
だから、
「ビジネスセンスがある人いれば・・・」
といわれると、私は
「そのような方はまずいません」
「社長が一から育てる以外にないのです」
と、お伝えします。
まさに漁師が魚の釣り方を教えるのと同じです。
そのために、経営者と後継者が現状の仕事で余裕がないと
育成はできません。
まずは後継者育成の時間を作るための工夫から
初めてはいかがでしょうか。
では、また来週