前回からの続きです。
悩んでいる2代目は多いのですが、
このように心情を吐露できることは少ない。
なぜなら、もし先輩経営者や創業者にこの話をすれば
「何を言ってんねん。お客さんがいて、商売できているなら、
なんの問題があるんや。そのままやればいい」
とのアドバイスがあります。
なかには「贅沢な悩みや」とか「何を甘いこと言ってんねん」と
怒られたこともあるようです。
確かに、創業者から見ると、そうでしょう。
カネなし、コネなし、看板なしから始めた創業者には
これらがそろっている後継者の悩みが分からないものです。
でも、創業者にあって、2代目にないもの。
自分でこの仕事を始めるのだという「決断」と
そこから湧き出る「情熱」です。
だから、私はK氏にこう言いました。
「情熱など、急に出るものではないし、2代目の皆さんは
同じような悩みを持っています。私もかつてそうでした。
だから、まずは事業を継続しながらも、やりたい事業に
少しづつ変えればいいです。そして、その事業は
会社にいては見つからないので、会社の外に出て行って
見つけてください。セミナーでも交流会でもいいですよ。」
そして、こうも言いました。
「将来的に事業は180度変わってもいいので、
会社を存続させること、従業員を雇い続けること
これだけできれば、事業承継は成功です」
事業承継と言いながらも、事業は変えてもいい。
会社の名前も変えてもいい。
そして、後継者が経営者として会社とともに生き残る。
これが最重要であることを改めて伝えました。
※文中の会社や後継者名は、現実から内容を変えています。
では良い週末をお過ごしください。